<font color="F8F8FF">「スリープレス」</font>
年を取ってくると、だんだんと楽しめるモノが少なくなってくる。
以前楽しめたモノが楽しいと思わなくなり、自分の中での楽しいモノリストからフェードアウトしてゆく。
そしてまた新しい快楽を求めて、違う世界へと足を踏み入れてみる・・・。
人生それの繰り返しの様な気がするね。
あっちへ行ってはこっちに戻って、止めたかと思ったらまたやって。
更にタチが悪いのが、楽しめるモノに掛かる費用やら労力やらが、
年を取るにつれ増加の一途を辿る事。
もう、自分満足させる為にカネかかり過ぎですから!
まぁ子供のオモチャをカネに物言わせてドカ買いするような下品なマネはしないですけどね。
特に映画は中々ツボに入る物が少なくて、
見てて嗚咽が止まらなくなる程感動する様なS級作品には中々御目に掛かれない。
レンタル屋でも新作コーナーには目もくれず、
奥にひっそりと並ぶ、マニアックな作品が揃うコーナーへと消えて逝く。
そこでウーンウーン唸りながら延々と何本ものジャケを眺め続ける俺。
ジャケをジロジロと見て、自分なりの「嗅覚」で借りるか否か判断する。
1本決めるのに平気で30分~1時間以上かかる。
でも最近ソレでそこそこ当たったのが、あのアルバトロスの「地獄曼荼羅アシュラ」。
結構古目だと思うのだが、見た瞬間ジャケ借り。だってジャケ曼荼羅ですよ?
借りるに決まってるじゃないですか。
内容はね・・・もうね、最強のダークサイド側のインド映画じゃないですかねコレ。
明るく不自然に歌って踊るだけじゃないんだな、インド映画は。
と思いましたよワタクシは。
「ダンサー・インザ・ダーク」がイケる人はイケるんじゃないかな?
なんとなくですが。
ホラーというジャンルはまだあまり手を出してないのだが、
ある御方からのオススメで見た、ダリオ・アルジェント監督作品「スリープレス」はツボでした。
ある童話になぞらえて次々と起きる猟奇殺人事件を追う刑事達や被害者の家族の話。
BGMがゴブリンだったりするので、気分的にはちょっとサスペリアだったり。
来るぞ来るぞ来るぞ、・・・キター!!系ではあるのだが、
話の深さや絵的な暗さ、特に殺人シーンのリアルさは素晴らしいの一言に尽きる。
可愛いお姉さんが「オゲェー!」だの「ゲギャァー!!」だのってもう、堪りません。
純粋な狂気に纏われた、しんみりと深く悲しい、そしてちょっとメルヘンな映画でした。
そういえば、同じくイタリアのホラー映画監督の、ルチオ・フルチ氏の作品も、
殺人シーンがエッグイよなぁ・・・。
うーん、イタリアンホラーが肌に合うなぁ・・・。